バレエといえば立って踊る華やかな動きを想像される方が多いかもしれませんが、実は「フロアバレエ(Floor Ballet)」という床で行うトレーニングが存在します。特に初心者や大人バレエ愛好者にとって、フロアバレエは基礎力を高めるのに非常に効果的な練習法として注目されています。
今回は、「フロアバレエとは何か?」「どんな効果があるのか?」「初心者でも取り組めるメニューは?」など、床でできる優雅なバレエの世界についてご紹介します。
■ フロアバレエとは?
フロアバレエは、寝た姿勢や座った姿勢で行うバレエのトレーニングで、主にバレエの基礎を強化することを目的としています。フランス語では「バー・オ・ソル(Barre au sol)」と呼ばれ、プロのバレエダンサーの間では長年、柔軟性・体幹・筋力強化のために取り入れられてきました。
特徴
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重力の影響を最小限にしながら、正しい姿勢や筋肉の使い方を学べる
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バーがなくてもできるため、自宅でも実践可能
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年齢や体力に関係なく誰でも始めやすい
■ フロアバレエのメリット
1. 正しい姿勢の感覚がつかみやすい
立った状態では難しい“まっすぐな背骨”や“骨盤の位置”を、床に寝ることで意識しやすくなります。これにより、バレエにおける美しい立ち姿勢を身につける基礎が作られます。
2. 体幹とインナーマッスルの強化
床に接していることで体が安定し、腹筋・背筋・骨盤周りの筋肉を意識して使うことができるため、バレエの動きを支える体幹を鍛えるのに効果的です。
3. 柔軟性アップ
開脚やターンアウト(股関節の外旋)など、柔軟性を必要とする動きも、床で行うことで筋肉を安全に伸ばしながら練習できます。
4. 怪我のリスクが少ない
ジャンプや回転など負荷の高い動きがなく、関節への負担が軽いため、初心者や運動が久しぶりな方にも安心です。
■ 初心者におすすめのフロアバレエエクササイズ
1. フロア・プリエ(寝た姿勢でのプリエ)
目的:股関節の可動域向上、太もも・内ももの強化
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仰向けになり、両足を天井に向けて上げます
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かかとをつけたまま、ゆっくりプリエ(膝を開く)→伸ばすを繰り返します
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腰が反らないように、腹筋を軽く使いながら行いましょう
2. ターンアウトの意識づけ(仰向けフラッター)
目的:外旋筋の活性化
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仰向けに寝て、膝を伸ばした状態でつま先を外に向けます
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脚を小刻みに上下に動かす(フラッターキック)
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骨盤が動かないように、床にしっかりとつけて行うのがポイント
3. ポールドブラ(上半身の動き)
目的:肩甲骨の動き改善、美しい腕の使い方
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長座の姿勢で背筋を伸ばし、腕を横に広げる
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ゆっくりと円を描くように腕を動かし、上・横・下へ
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鎖骨から動かすようなイメージで、肩に力が入らないよう注意
■ 自宅で取り組むときのコツ
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ヨガマットやフローリング用の滑り止めマットを使うと快適に行えます
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呼吸を止めず、ゆったりとした動作を意識しましょう
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無理に深く曲げたり開いたりせず、自分の体の可動域を尊重することが大切です
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ストレッチやフロアバレエの後は、しっかりとクールダウンしましょう
■ まとめ
フロアバレエは、初心者でも気軽に始められるバレエの基礎トレーニングです。床に寝た状態で行うことで、正しい姿勢や筋肉の使い方をじっくり身につけることができ、バレエをより美しく、安全に踊るための土台作りにつながります。
バレエをこれから始める方や、もっと上達したい方、自宅でできるエクササイズを探している方は、ぜひフロアバレエを取り入れてみてください。あなたの体と動きに、きっと変化が現れるはずです!