グラン・ジュテ(Grand Jeté)の意味
「グラン(Grand)」はフランス語で「大きな」、「ジュテ(Jeté)」は「投げる」「投げ出す」という意味を持ちます。
つまり 「グラン・ジュテ」とは“大きく投げ出すように跳ぶ動き” を表し、バレエの舞台で最も華やかでダイナミックなジャンプの一つです。
舞台の上でダンサーが空中に大きく体を投げ出し、両脚を大きく開いた姿は、バレエの美しさと力強さを象徴しています。
グラン・ジュテの特徴
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大きな跳躍:舞台を横切るようにダイナミックに飛ぶ
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空中でのライン:脚を前後に180度近く開くことで美しいアーチを描く
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推進力と柔らかさ:力強く飛び出しつつも、着地は静かでしなやか
観客にとって最も印象的な瞬間の一つであり、コンクールや舞台でも頻繁に登場します。
グラン・ジュテのやり方(基本の流れ)
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助走の準備
グリッサードやシャッセなどを組み合わせて、跳躍のための勢いを作ります。 -
プリエでタメを作る
膝をしっかり曲げて体を沈み込ませ、地面から力を引き出します。 -
踏み切り
片足で強く床を蹴り、もう一方の足を大きく前方へ振り上げます。 -
空中で脚を大きく開く
両脚を前後に大きく伸ばし、体のラインを美しく見せます。 -
着地
前に出した脚から静かに着地し、すぐに次の動きへとつなげます。
練習のポイント
1. プリエを深く
十分な高さと距離を出すには、プリエをしっかり使うことが不可欠です。
2. 上半身を引き上げる
ジャンプ中に体が前に倒れると、美しいラインが崩れてしまいます。背筋を引き上げ、体幹を安定させましょう。
3. 空中でのイメージ
ただ脚を開くだけでなく、空中で一瞬静止しているように見せることが重要です。写真に収めた時に最も美しい瞬間を意識します。
4. 着地をコントロール
膝と足首をクッションのように使い、衝撃を吸収しながら音を立てずに降ります。
グラン・ジュテが登場する有名な作品
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「ジゼル」第二幕:幽玄な雰囲気の中での大きな跳躍
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「眠れる森の美女」:華やかな舞台を彩る場面で登場
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「白鳥の湖」:オデットやオディールのヴァリエーションの見せ場
これらの作品では、グラン・ジュテが観客の心をつかむ重要な瞬間となっています。
初心者が意識すべきこと
バレエを始めたばかりの方にとって、いきなり大きな跳躍は難しいものです。まずは:
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小さなジュテでフォームを固める
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筋力トレーニング(特に太もも・体幹・足首)を取り入れる
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音楽に合わせて跳ぶ感覚をつかむ
段階を踏むことで、徐々に大きなグラン・ジュテができるようになります。
まとめ
「グラン・ジュテ(Grand Jeté)」は、バレエを代表する大きなジャンプで、舞台を一瞬で華やかに彩る動きです。
高く・遠く・美しく跳ぶためには、プリエ・体幹の安定・空中でのラインづくりが欠かせません。
練習を重ねることで、観客に感動を与える大きな跳躍が実現できます。
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