バレエでは、肩の使い方が非常に重要です。肩は単なる関節ではなく、腕の動きや上半身のライン、表現力に大きな影響を与えるパーツです。肩の位置が悪いと、ポールドブラ(腕の動き)が硬くなり、優雅さを損なうこともあります。
今回は、バレエにおける肩の役割と、美しいラインを作るためのトレーニング方法について詳しく解説します。
1. バレエにおける肩の役割とは?
A. 上半身の安定と姿勢の維持
バレエでは、首から背中にかけて長いラインを作ることが求められます。そのため、肩が緊張しすぎたり、前に出たりすると、首が短く見えてしまいます。逆に、肩を適切に下げて開くことで、優雅で洗練された印象になります。
B. ポールドブラ(腕の動き)のなめらかさを生み出す
ポールドブラを美しく見せるためには、肩の力を抜いて動かすことが重要です。肩が上がると、腕の動きが硬くなり、ぎこちない印象になります。なめらかに腕を動かすためには、肩甲骨を意識しながらコントロールすることが大切です。
C. 軸を安定させ、バランスを向上させる
バレエでは、回転(ピルエット)や片足で立つポーズが多くあります。このとき、肩が正しい位置にあると、上半身のバランスが安定し、回転やポーズの精度が向上します。
2. 肩の正しい使い方と意識するポイント
A. 肩を「下げる」のではなく「広げる」
「肩を下げて」とよく指導されますが、無理に下げようとすると力が入りすぎてしまうことがあります。肩を開く意識を持つと、自然と肩が適切な位置に収まります。
ポイント:
✅ 胸を開くイメージで肩を広げる
✅ 首を長くする意識を持つ
✅ 肩甲骨を背中の中央に引き寄せる
B. 肩甲骨を柔軟に動かす
肩甲骨の可動域を広げることで、腕の動きがよりしなやかになります。肩が固定されていると、ポールドブラの動きが硬くなりやすいので、肩甲骨を意識したストレッチやトレーニングを行いましょう。
おすすめのエクササイズ:
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肩甲骨を寄せたり開いたりする動き
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背中を大きく伸ばすストレッチ
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軽いダンベルを持って、腕を円を描くように回す
C. 無駄な力を抜く
肩に余計な力が入ると、首が短く見えたり、動きが硬くなったりします。意識的にリラックスすることで、より優雅な動きができるようになります。
✅ 鏡を見ながら肩の位置をチェックする
✅ 呼吸を深くし、余計な緊張をほぐす
3. バレエの動きと肩の使い方の実践
A. アロンジェ(腕を伸ばす動き)
アロンジェをする際は、肩を持ち上げず、腕を長く伸ばすイメージを持ちます。肩甲骨を下げて広げることで、美しいラインが生まれます。
ポイント:
✅ 肩をリラックスさせる
✅ 指先までエネルギーを感じながら伸ばす
B. ピルエット(回転)
ピルエットの際、肩が前に出たり、力が入ってしまうとバランスが崩れます。肩を正しい位置にキープすることで、スムーズな回転が可能になります。
ポイント:
✅ 肩を後ろに引きすぎない
✅ 背筋を伸ばし、首を長くする意識を持つ
C. アラベスク
アラベスクでは、肩が上がってしまうと美しいラインが崩れます。肩を開き、腕を長く伸ばすことで、エレガントなポーズが作れます。
ポイント:
✅ 肩の位置を安定させ、腕をしなやかに動かす
✅ 肩甲骨を意識し、背中の広がりを感じる
4. 肩を鍛えるためのエクササイズ
A. 肩甲骨の可動域を広げるストレッチ
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両手を後ろで組み、肩甲骨を寄せながら胸を開く
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10秒キープし、3セット繰り返す
B. 軽いダンベルを使ったトレーニング
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軽いダンベルを持ち、両腕をゆっくりと横に開く
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10回×3セット行う
C. 肩回し運動
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両肩をゆっくり前後に回す
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10回ずつ行い、肩の緊張をほぐす
5. まとめ
バレエにおける肩の役割は、単に動作を支えるだけでなく、美しいラインや表現力に大きな影響を与えます。肩を正しく使うことで、ポールドブラが優雅になり、バランスや安定性も向上します。
ぜひ今回紹介したエクササイズや意識するポイントを取り入れて、より洗練されたバレエの動きを目指しましょう。